Kosovo / コソボ - 世界ぽろり旅 https://amonkeybb.sakura.ne.jp 日本からぽろりと飛出し、涙をぽろり。耳寄り情報もぽろりします Tue, 25 Nov 2025 01:28:48 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.9.26 80321178 この街は何かがおかしい。真夜中に響く銃声とアイツの恐怖…。 https://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13238 https://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13238#respond Tue, 11 Aug 2015 21:50:07 +0000 http://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13238 9/JUN/2015 from Kosovo to Skopje 今日はコソボを出て、南に接するマケドニアに向かいます。 この辺りは国が小さいし、ハリウッド映画の撮影日に合わせてちょっと駆け足で移動しているので、自分でも […]

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9/JUN/2015 from Kosovo to Skopje

今日はコソボを出て、南に接するマケドニアに向かいます。

この辺りは国が小さいし、ハリウッド映画の撮影日に合わせてちょっと駆け足で移動しているので、自分でも今どこにいるのか考えないと分からなくなってしまう。
朝起きたら、「あれ、今はどの国にいるんだっけ?」って考えて、しばらく答えが出ない事もあったり…。
 

優しいアルバニアの人々に助けられて。

コソボの首都プリズレンの街の外れまで歩いてヒッチ開始。
ここにもアルバニアの国旗がはためいています。
P6090917

コソボの人たちはとってもフレンドリー。
ヒッチハイクしてたらみんな話しかけてきます。イエーイ!
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街の人たちと触れ合いながら楽しくヒッチハイクしていると、私たちの前で一台の車が止まりました。
どうやら乗せてくれるみたい!

乗せてくれたのは若い男性3人組。
10km先の山奥の村まで乗せてくれるそうです。
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今日は休日だから仲の良い友達に会いに行くんだって。
みんな楽しそう。
IMG_3270
 

彼らの目的地の小さな村に着くと、友達が経営しているカフェで美味しいコーヒーをごちそうしてくれました。
やさしいなぁ。
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コーヒーを飲み終わったら、親切な3人組と別れて再びヒッチ開始。
でも、ここは田舎道なので車は全然通りません。
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観光客なんて絶対に来ないような小さな村。
村の人たちは私たちの存在が気になるらしく、大人も子供もみーんな、遠巻きに私たちを見てきます。笑
目を合わせると笑顔。

しばらくするとみんな話しかけてきました。
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子供たちに取り囲まれてヒッチハイクができなくなるだいごろ。笑
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陽気な村の人々に囲まれてしばらくヒッチしていると、ズラップという名前の男性が拾ってくれました!
彼はマケドニア人でこれからスコピエに行くところだそう。
今日目標にしてた場所だ!やった!
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ズラップさんは英語が全然しゃべれないけど私たちを乗せてくれた。
言葉が通じないと分かっていながらも乗せてくれる心理ってなんなんだろう。
乗せてもらっておきながら、いつも不思議に思えてしまう。
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そんな優しいズラップさんと身振り手振りで話したのはこんなこと。

「日本とロシアはいいけど、アメリカはだめ。セルビアを空爆したから。」
この辺りでアメリカのことが好きなのはコソボだけじゃないかな。
アメリカはコソボの独立を支援し、コソボ紛争を終結させるためにセルビアを攻撃したから。

「日本もアメリカに原発を落とされたよね。
 ユーゴもアメリカにやられた。
 アメリカはプロブレムだ。そう思うでしょう?」

”マケドニアも攻撃されたの?”

「マケドニアは大丈夫だった。」
ちなみに後で調べたところ、マケドニアは旧ユーゴで唯一無血で独立を果たした国だそうです。

「セルビアとかコソボとかマケドニアじゃなくて、みんな本当はユーゴスラビア人なんだよ。」
そう言えばセルビアで出会った人もユーゴスラビア時代が最高だったと言っていたな。
 

窓から見えるのは雪を抱くコソボのきれいな山々。
P6090973
 
 

車で通りがかった途中の村で、ズラップさんがここはセルビア人の村なんだと教えてくれた。
コソボの中にもセルビア人の村があるんだ。少し驚いた。

でもちょっと考えてみたら当たり前のことかもしれない。
もともとセルビアというひとつの国だったんだ。
独立したと言っても、セルビア人が住んでいる村があったって不思議じゃない。

コソボにある大きな街には大抵アルバニア国旗がこれでもかと言うほど掲げられているのに対し、このセルビア人の村はひっそりとしていて、まるでその存在感を消そうとしているようだった。
 


コソボとマケドニアの国境の街にはアルバニアの国旗がたくさん。
これまで見た街と比べてもかなり多い。何百もの旗が嫌というほど主張してくる。
「ここはアルバニア人の土地だ!ここまでは絶対俺たちの場所だ!誰にも譲らない!!」
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こうやって主張しないと、折角事実上独立したこの国がなくなってしまうと不安になるんだろう。
 

それからコソボの国境を越えてマケドニアに突入。
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ズラップさんはスプリトの街から7kmほど離れたところでお別れ。

言葉は通じないけど、少しでもこの場所のことを知ることができた。
こういうコミュニケーションってすごく貴重だし、いつもヒッチハイクして良かったなって思う。
 


ズラップさんに降ろしてもらった場所から街まで歩くのは遠いので、再びスコピエの看板を掲げてヒッチハイク開始。

すると、通り過ぎるドライバーがみんな反応してくれる。
しかもかなりのオーバーリアクション。

「ごめん、街中にはいかないんだ」
「ああー、今荷物がいっぱい何だよ」
「ちょっと仕事中だから乗せられない」
「ヒッチハイクがんばって!」

コソボにいたときからこういうヒッチハイカーを後押しするような雰囲気は感じてたけど、ますます強くなった感じがした。

ジェスチャーだけで何が言いたいか伝わってくるし、みんなほんとに愛想がいい。
ヒッチハイクしてると、見て見ぬ振りをされることってすごく多いけど、この国は違うみたい。
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そして5分もしないうちに一台の車が止まりました。

名前を聞き忘れてしまったけど、家電の修理をしている男性。英語が話せる人でした。
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彼にコソボから来たことを伝えると、「コソボの人は良い人だった?」と聞かれました。

”うん、みんなフレンドリーでいい人たちだったよ” と答えると、「そっか」と少しだけ不服そうに返されました。

あんまりコソボのことをよく思ってないんだろうな。
 

言葉も同じ、顔つきも同じ。
じゃあ民族を隔てるものってなんだろう。

宗教は違っても、みんな同じようなことを考えて同じように隣国を憎み合っている。
 

しばらくすると、スコピエの街に入りました。
遠くの丘の上には十字架。

イスラム教徒の国コソボから、今度はキリスト教の国マケドニアにやってきたんだ。

二千年に建てられたもので、ミレニアムクロスという名前だと教えてくれました。
ロープウェイで登れるそうです。
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なんだかおかしいスコピエの街。

(ここから先の話はだいごろが日記に書いていたので、だいごろにバトンタッチします。)

今日はヒッチの調子が良かったので、意外と早くマケドニアに入る事ができた。
宿に荷物を置いたら、さっそくスコピエの街へ出かけてみました。

宿の近くにはマケドニア正教の教会。
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煙突掃除の看板だ!
そういえばちょっと前にヒッチハイクで煙突掃除屋さんに乗せてもらったことがあったなぁ。
この辺りの国ではまだまだメジャーな職業です。
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街中に金色のプレートがあって、そこにやたらとマザーテレサの名言が書かれているなぁと思っていたら、なんとスコピエはマザーテレサの生まれ故郷でした!
マザーテレサがマケドニア人だったなんて知らなかった!
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街にあったマザーテレサ記念館には彼女の遺品が展示されていました。
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それから街の中心へと向かって歩いていると、何故か建設中の建物がたくさん。
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街の中心にある広場に行くと、ここも工事中。
そして、周りには巨大な銅像がたくさん作られていました。
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工事中の歩道にも謎の銅像が2体。
なんでこんなとこに…?
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街を流れる川沿いには、めちゃくちゃ巨大な建物がたくさん!
遠くに見えてるから写真では伝わらないかもしれませんが、これかなり大きいです。規格外!
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川沿いには巨大船がいくつも置かれていたり。
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街の中はどこを歩いても訳が分からないくらい大きな銅像や噴水だらけ。
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いやぁ、これはやりすぎだ。
他に表現が見当たらないので失礼ながら書きますが、なんかデカすぎて気持ち悪い…笑。
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そりゃあ子供もビックリするよ…。笑
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今朝までいたコソボはムスリムの国だったけど、ここマケドニアはキリスト教徒(マケドニア正教徒)の国。
国民の70〜80%がマケドニア正教徒だけど、それ以外の国の人が住んでいる地域もあります。

街にある川を渡ったところが、そんなムスリムやロマ(ジプシー)の住むエリア。
ロマはヨーロッパの中東部に住む移動型民族。住所を持たない浮浪者として差別を受ける事も多い人たちです。
写真に写っている彼らはみんなジプシー。
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それにしてもこの街は道がぼこぼこのところが多い。
タイルがはがれたり、地盤沈下?してる。
あんな大きな建物とか銅像をたてるくらいならこういうのの修理にお金を使えばいいのになぁ。
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宿への帰り道にもブロンズの像や金色の像がたくさん。
うーん。やっぱりこの街はなんか変だ…。笑
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観光する分には面白いけど、ここに住んでいる人たちは税金がこんな風に使われることをどう思ってるんだろう?
気になったので宿の女性に聞いてみたら、「うーん、…まあ政府が決めることだから仕方ないよね。」っていう感じの反応だった。
 

道端の花壇にはマケドニアの国旗の模様に植えられた花。
街中とか、家のベランダにも国旗がたくさん掲げられているし、みんなマケドニアの事が大好きなんだなぁ。
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帰り道のスーパーで晩ご飯の材料を買って帰ります。
店に掲げられたマケドニア語の表記が新鮮です。
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そして宿に帰ったらキッチンで夕食を作って食べてからベッドへ。
今日の宿は安いのはいいんだけど、部屋が地下にあって薄暗くてじめじめ…。
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”大丈夫かなぁ?”

僕たちの頭によぎったのは、これまで何度も苦しめられたアイツのシルエット…。

前回セルビアでの被害がひどすぎたので、怯えまくるきっこ。
(前回の惨事はこちら▶︎南京虫の攻撃で顔面フルボッコ × 世界大戦の震源地
 

しかも電気を消して寝ようとしたら、外から銃声みたいな音が聞こえて不穏な空気。
次の記事でも書きますが、最近この街の近くで住民同士の銃撃戦があったらしいので不安になります…。

恐る恐るベッドに寝転がり、祈るように目を閉じるきっこ。

”南京虫さん、どうか今日は刺さないで下さい…。”

きっと今夜も僕は刺されない。
たまには代わってあげられたら良いのになぁ。

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想像してみて、天国なんてないって。 https://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13265 https://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13265#comments Mon, 10 Aug 2015 21:50:08 +0000 http://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13265   想像してみて、天国なんてないって。 やってごらん、簡単だよ。 僕たちの下に地獄なんてなくて、上には空だけがある。 想像してみて、誰もが今日のために生きてるって。 想像してみて、国なんてないって。 難しいこと […]

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想像してみて、天国なんてないって。
やってごらん、簡単だよ。
僕たちの下に地獄なんてなくて、上には空だけがある。
想像してみて、誰もが今日のために生きてるって。

想像してみて、国なんてないって。
難しいことじゃないよ。
何かのために殺されることも死ぬこともないんだ。
そして、宗教もないんだ。
想像してみて、みんなが人生を幸せに送ってるって。

僕のこと、夢想家だって言うかもしれない。
でも、僕は一人じゃない。
いつか君も僕たちに加わってほしいな。
そして世界はひとつになるんだ。

持ってるものなんてないって。
できるんじゃないかな。
欲張りになることもないし、飢えることもない。
人はみんな兄弟なんだ。
想像してみて、全ての人がこの世界を分かち合うんだって。

僕のこと、夢想家だって言うかもしれない。
でも、僕は一人じゃない。
いつか君も僕たちに加わってほしいな。
そして世界はひとつになるんだ。

 

たまたま耳にしたジョン・レノンの名曲、Imagine。
(上は、曲を聴きながら自分なりにしっくり来るように訳したものです。)

ヨーロッパの火薬庫と呼ばれたこの地域を訪れ、言葉にできないもやもやした気持ちがずっと心の片隅に居座っていた頃。彼の言葉があまりにまっすぐに私の心に届いた。

ジョン・レノンがImagineを歌ったのは1971年。
この地域が戦場になっていたときよりも随分前の歌だけど、今の私の想いとぴったり当てはまった。
世界中で同じことで争って、同じことを繰り返しているってこと。

何度も何度も口ずさんだ。
 

サラエボの丘で真新しい墓標を見下ろしながら。
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壁にできた無数の穴を数えながら。
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プリスレンで凛と立つモスクと、破壊され朽ちゆく教会を眺めながら。
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なんて、なんて悲しい歴史なんだろう。

ほんとは国境なんてないのに。
宗教もないのに。


私も『夢想家』でありたい。

例えば、核がない世界、軍隊がない世界。

人を殺すために使っているお金と労力を、ちっぽけな地球を守るために使える世界。

国を巡る争いのない世界。差別のない世界。

お金を追いかけて人生を浪費するんじゃなくて、自分が持つものを分かち合える世界。
 

そういう世界になるなんて、夢かもしれない。
でも、夢見続けたい。
いつか実現できるって信じたい。

こんなに平和を願ったジョン・レノンが意味不明な理由で殺されてしまう、皮肉な世の中だけど。

誰もが心の奥底では理想とする世界とはどんどんかけ離れていく。

なんで何十年経っても夢のままなんだろう。

たくさんの人の心に響いたはずの曲なのに。
 

でも信じたい。

いつか世界はひとつになるんだって。
 

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娘を一人で買物に行かせられない街。 https://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13236 https://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13236#comments Sun, 09 Aug 2015 21:50:35 +0000 http://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13236 8/JUN/2015 from Peje to Prizren 今日はペヤ(ペーチ)からコソボ南部の街プリズレンまでヒッチハイク。 およそ100kmの道のりです。 開始早々、通りがかりのおじさんがアイスをおごってくれまし […]

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8/JUN/2015 from Peje to Prizren

今日はペヤ(ペーチ)からコソボ南部の街プリズレンまでヒッチハイク。
およそ100kmの道のりです。

開始早々、通りがかりのおじさんがアイスをおごってくれました。やさしい!
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その後、道端で段ボールにプリズレンと書いて歩いてたら車に声をかけられました。
でもタクシーと言ってお金のジェスチャーをされたので断って少し歩きます。

ヒッチハイクを始めようと思っていた場所に立って看板を掲げると、すぐに人がよってきて「プリズレンはこっちじゃないよ」と教えてくれました。
 

プリズレンに行く道は2通りある。
なんとなくこっちの方がプリズレンに近そうだなと思って目星をつけていた道はどうやら間違っていたみたい。

正しい方でヒッチハイクを始めたら5秒で車が止まってくれた。
拾ってくれたのはルーツィとボレの2人組。
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車の中から外を眺めていると、いたるところで目に入ったのがアルバニアの国旗。
国旗を指差したら、コソボだからね、と言ってた。やっぱりコソボはアルバニア人の国なんだ。
P6080653 2

通りにはこんな人も。
アルバニアの国旗は赤地に黒くて強そうな鳥の絵。威圧感があります。
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二人にはプリズレンの数十キロ手前で降ろしてもらい、ガソリンスタンドの前で再びヒッチハイク。
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次に止まってくれたのはモニという男性。
ドイツ語喋れる?って聞かれたけど、残念ながら私たちはドイツ語は喋れない。
大学1年のときに少しやってたんだけどな。きれいさっぱり忘れてしまった。
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笑顔がとっても優しい人。
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車の窓の外には否が応でも目に入るアルバニアの国旗。ものすごい数だ。
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そして無事プリズレンの街に到着。
今日もなかなか順調なヒッチハイクでした。
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コソボの首都プリズレン。

街にたどり着いてからも、やっぱり目に入るのはアルバニアの国旗。
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“どうしてアルバニアの国旗ばかり掲げてるの?”って宿の人に聞いてみたら、「コソボの国旗よりもアルバニアの国旗の方がかっこいいからだよ」って言っていました。
 

青いのがコソボの国旗、赤いのがおなじみアルバニアの国旗。
たしかに、コソボの国旗よりもかっこいい。
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コソボの国旗じゃなくてアルバニアの国旗を掲げてる理由は確かにそうかもしれない。
でも、そもそもアルバニアの国旗をこんなにたくさん掲げている理由は?

きっと、こうやって旗を掲げて主張しておかないとまた他の国や民族の人が攻めてくるんじゃないかと不安なんだと思う。ここに住む人たちの危機感の現れだ。
 

お土産屋さんに売っている国旗にも実は特徴的。
アメリカ、ドイツ、イギリス、トルコ…コソボのことを国として認めている国ばかり。
日本も認めているけど、日本の国旗は見当たらず。あまり接点がないんだろうな。
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宿にチェックインする時に壁にあった貼紙には、ここプリズレンから各地へのバスの出発時間が書いてありました。
最近はヒッチハイクだから時間に縛られることがなくて楽でいいなぁ、とぼんやり眺めていたら、ちょっとびっくりすることが書かれていました。

セルビアの首都ベオグラード行きのバスのところに、「本気?!」、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボ行きのところに「でもセルビアを通るよ…行きたいの?」って。
やっぱりコソボの人たちはセルビアのことが大嫌いなんだ。
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しばらく宿でゆっくりした後はプリズレンの街歩き。

プリズレンは街の中心に川が流れる落ち着いた街並。
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通りすがりに出会う人たちはみんなフレンドリーで、私たちを見ただけでハロー!って嬉しそう。

道端でボードゲームをする人。
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通りを歩いていると立派なモスクがたくさん目に入ります。
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コソボ紛争では二十万人にも上った難民たち。
プリズレンの街には未だにUNHCR(国連の難民キャンプなどを管理する部門)の車がありました。
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プリズレンにある世界遺産。

そんなプリズレンには一つだけ世界遺産があります。
柵に囲まれていて、今は入ることができない場所。
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可愛らしい形をしたセルビア正教のリェヴィシャの生神女教会。
12世紀に建てられた歴史ある教会です。
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中を覗き込むと、草も生え放題でごみも散らかっている。壁画もぼろぼろで誰も管理していない。
ここも、昨日訪れたペーチ総主教修道院と同じく危機遺産に登録されています。

ペーチ修道院の方は修道女さんがちゃんと丁寧に手入れされていたけど、ここは悲しいほど放置されてしまっていました。こんなに放置された世界遺産は初めて。世界遺産と呼ばれるのも惨めになるほど…。
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悲しい教会を見た後は、街のすぐ横にある丘の上に登ってみました。
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丘の中腹にあったのは廃墟になった教会。
ここはもともとキリスト教の街だったけど、今住んでいるのはムスリム中心のアルバニア人がほとんど。
コソボ紛争のときアルバニア人によってたくさんの教会が被害にあったそう。

天井がなくなって吹きさらしになった教会は、700年前のもの。
コソボ紛争のときに被害に遭ったのかどうかは分からないけど、壊れたまま放置されている。
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そして急な坂を登り切ると古い城壁が見えてきました。

見晴らしのよい城壁から見下ろすと、橙色の屋根が連なる美しい街並が広がります。
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ミナレットやモスクがたくさん目に入る。
数えてみると見えているだけでも20個以上のモスクがありました。
数十メートル間隔でモスクがあって、どうしてそれほどたくさん必要なのかと不思議に思えてしまうほど。
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一方で破壊され、廃墟になってしまったさっきの教会が見えます。
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この教会も元の姿を保っていたら…もっともっとずっと美しくて魅力的な街になるのに…。
 

追いやられるセルビアの人々。

丘を下って宿に帰る途中にセルビア正教の教会があったので、立ち寄ってみました。
聖ジョージ教会という名前の教会です。

ここは、この街にあるセルビア正教会の中ではおそらく唯一堂々とした外観を保っている教会。
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でも、ここも何度も襲撃にあっていて、2004年には完全に破壊されてしまったそう。
コソボ紛争が終わったのが1999年のことだから、紛争の後でもまだ火種は残っていたってことだ。

実は丘を登る前に一度この教会に入ろうとしたけど、開いていなかったので丘を下った後にもう一度やってきました。でもやっぱり開いていない。
 

教会の周りをうろうろしていると、教会に来ていたセルビア人の女性に話しかけられました。

「ごめんね、鍵を持った人が今日いなくて。中を見せてあげられないの。」

そう言いながら握手を求めてきた女性はまだ幼い娘さんを連れていて、この街と教会の事を少し話してくれました。

「私たちはセルビア人で、紛争が始まるまではずっとここで暮らしていたの。
 そしてこの街が今でも好きだから、コソボ紛争の後に戻ってきたのよ。
 ここは私たちの故郷だから。」

「この街には今でもセルビア人に恨みを持っている人はたくさんいるの。
 だから子供一人では買い物に行かせられない。襲われるかもしれないから。
 この町には30人ほどのセルビア人が住んでいるけど、みんな肩身の狭い思いをしているのよ。」

「そうだ。うちの娘と一緒に写真を撮ってもらってもいい?」と聞かれ、最後に一緒に写真を撮りました。
目を合わせようとすると恥ずかしそうにうつむく少女。
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この幼い少女は大人たち以上に恐い思いをしているんだろうな…。
もしかしたら同世代の友達を作ることも難しいのかもしれない。
 

教会を壊す必要なんてないし、キリスト教徒を追い払う必要もない。
アルバニア人が悪いとかセルビア人が悪いとか、そんなことじゃない。

ふるさとを思う気持ちはみんな同じなのに、どうして一緒に仲良く暮らすっていうことがそれほどまでに難しいんだろう。

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人間の手で破壊される危機にさらされている世界遺産。 https://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13234 https://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13234#respond Sat, 08 Aug 2015 21:50:46 +0000 http://amonkeybb.sakura.ne.jp/?p=13234 7/JUN/2015 from Uzice to Peje ウジツェでびっくりのハリウッド映画のエキストラ出演のオファーを受けた私たち。 3週間後に出演の約束をし、その間にぐるっと東ヨーロッパを周遊することにしました。 […]

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7/JUN/2015 from Uzice to Peje

ウジツェでびっくりのハリウッド映画のエキストラ出演のオファーを受けた私たち。
3週間後に出演の約束をし、その間にぐるっと東ヨーロッパを周遊することにしました。

そうと決まれば急いで進まなくちゃ。
 

コソボってどんな国?

次に向かうのはコソボ。

コソボ共和国はかつてはセルビアの一部だったけど、2008年に独立宣言を発表してコソボ共和国を名乗っている。コソボのことを国と呼べるかどうかは今でもあいまい。

コソボのことを国として認めている国と、認めていない国がある。
アメリカ、ドイツ、日本などはコソボを国として認めている。
スペイン、中国などの少数民族の問題を抱える国々では承認されていない。

もちろんセルビアはコソボを国とは断固として認めておらず、セルビアの一部だと認識されている。
だから、セルビアとコソボの国境はすごくややこしい。

例えば、コソボからセルビアに入るときは、コソボの出入国スタンプが押された状態でセルビアの検問を通ることになる。セルビアからすれば「セルビアの領土(コソボ)に入国しているのに、セルビアの入国スタンプがない」、すなわち不法入国っていうことになって大問題になるらしい。

私たちが今いるのはセルビア。
このまま真っすぐコソボに入るのが近道だけど、セルビアとコソボの微妙な国境を通るのは気が進まない。
セルビアからコソボに入る時は特に問題ないっていう話だけど…。
なので、ちょっとだけ回り道してモンテネグロから入ってみることにした。
 

ヒッチハイクでコソボを目指せ!

昨日の夜、リッキーはDJの仕事のために夜クラブに向かい、じゃあまた明日の朝って言って別れたんだけど、今朝タクシーを呼んでもらおうと部屋をノックしてみたら、部屋にリッキーがいなかった!
帰ってきてなかった…!

急いで近所の人にタクシーを呼んでもらってバスターミナルまで行きました。
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そしてなんとか一日一本のバスに間に合いました…。
ここから、プリエポリエという響きの可愛い街まで。
大きい街からヒッチハイクを始める時は大抵苦労するので、最初はバスに乗ることにしたのです。
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ウジツェからプリエポリエまではあっという間に到着。
バスターミナルもこんなにちっちゃい田舎町です。
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今日はここからヒッチハイク開始。
モンテネグロまで行く車はいるかなぁ。
P6070524

すると、すぐに1台の車が止まってくれました。
助手席に乗っていたミネラはサラエボの大学で勉強中。
モンテネグロの田舎町ロジャエ出身で、今は大学の長期休暇で家に帰るところだそう。
交通の便が良くないからタクシーをチャーターしたそうです。
P6070525

「この車は私がチャーターしてるから何人乗っても大丈夫よ。」

優しいミネラはお腹をすかせた私たちにおやつを分けてくれました。ありがとう。
P6070528
 

ミネラが車の中でセルビアの音楽を聞かせてくれました。
そしたら不思議なことにアラビアンな響き。この辺りはまだ頭の中ではヨーロッパだと思ってたから、中東の香りのする音楽にすごく変な感じがしました。
 


そして車は順調に国境を抜けて、モンテネグロに突入。

これは途中で見かけたファーストフード店。
ガラスに書かれたメニューを見ると、通貨がセルビアのディナールからユーロになっていました。
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そこから1時間ぐらいは知ると、コソボの国境にほど近いモンテネグロ街ロジャエに到着しました。
ミネラの生まれ故郷です。

元々はコソボへの山道がある所で降ろしてもらう予定だったけど、「家族に紹介したいから。」と言って、家の前まで連れて行ってくれました。
お母さんとミネラ、顔がそっくり!
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お姉さんはムスリムで、今は休みだけど普段はトルコの大学で勉強してるんだって。
みんなでお見送りしてくれました。
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今日は野宿…?険しい山を越えてコソボへ突入せよ!

「この山の先がコソボよ。本当に行くのよね? Have a good trip!(笑)」
そう言いながら、別れ際にミネラが指差したのは険しい山々。

あの山を越えるのかぁ…。
あまり車が見当たらない場所だったけど、コソボへと向かう道でヒッチ開始です。
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うーん、全然車が来ないなぁ…。
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そのまま30分ぐらいヒッチをしていると、通りかかった地元の若者が「ちょっとそこまで乗せてってあげるよ。」と言って、乗せてくれました。
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そして降ろしてくれたのは、家が一見ぽつんとあるだけの本当に何ものない山の中。
これは長期戦になりそうだ…。
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早くもここに来てから2時間経過…。

車…来ないなぁ。
P6070568

何もない山道。さっきからまだ2台ぐらいしか車が通っていません。

でも景色は最高。のどかで良いところだ。
昼寝でもできるぐらい車が来ない。
もう夕方だから今日はここで野宿かも。まあそれも悪くない。
でも寒かったら嫌だなぁ…。
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ここに来てから3時間経過。来ない…。
もう諦めてテントをはろうかな。
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そう思っていたら、久しぶりに走ってきた車が止まってくれました!やった!
乗せてくれたのはシャバンという男性で、今日の目的地コソボのペーチという街に住んでいる人です。
英語が全然喋れないけど親切に乗せてくましれた。
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シャバンの車に乗ってものすごい山道をくぐり抜けます。
コソボってこんな山を越えた先にあるんだ。
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山ののどかな風景。
だんだん標高が下がってきました。
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そして無事コソボとの国境を通過しました。
コソボ側の国境はポリスだらけでちょっと恐かったけど、みんな笑顔。
日本から来たと伝えると、手を合わせてお辞儀をされました。笑
 

コソボ最初の街、ペーチ。

そしてようやく今日の目的地のペーチに到着!
ありがとうシャバン!
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ちなみにこの街、セルビア語ではペーチ、アルバニア語ではペヤと呼ばれています。ややこしい。
モンテネグロではペーチで通っていたけど、コソボに入ってからはペヤと呼ばれるようになりました。

シャバンはわざわざホテルまで送り届けてくれました。
”Hotel Jusaj”という所。一泊一室20ユーロ。ちょっと高いけど部屋はまあまあきれい。
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今日は野宿かと思ったけど、なんとかペヤまで辿り着けました。
おやすみなさい…。
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そして到着した次の日は、さっそくペヤの街を歩いてみました。
初めてのコソボです。

この街はビールが有名らしく、この街の名前のビールがたくさんありました。
ペヤに到着したとウジツェのリッキーにメールしたら、「ビール楽しんでね。」という返事が返ってきたぐらい。
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これがコソボに来て最初に食べたごはん。
2種類のスープとサラダを注文しました。どれもなかなか美味しい。
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この豆スープみたいなやつ、見た目以上に味しかった!
さらさらの飲むヨーグルトと一緒に食べるのがコソボ流。地元のお客さんはみんな料理と一緒にヨーグルトを注文していました。
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コソボの人たちはみんなフレンドリー。
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コソボに来て驚いたのが、どの店も商品を店の前の歩道に並べて売っていること!
歩道に並べられたマネキン。
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ホースやバケツも全部歩道に。
こんな所に並べて邪魔にならないのかなぁ?
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街中には馬車も走っていました。
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危機にさらされる世界遺産。

今日はペヤの街にある、ペーチ総主教修道院へ向かいます。

ペーチ総主教修道院は他の修道院や教会と共に「コソボの中世建造物群」の一つとして世界遺産に登録されています。
セルビア正教の教会だから、コソボにあるけど発音はペヤじゃなくてペーチになります。
 

教会までの道を歩いていると、アルバニアの国旗が時折目に入ります。
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アルバニア人が90%以上を占めるこの街。
立ち寄ったほとんどのお店の中にアルバニアのポスターが貼られていました。
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歩いていたらまたお腹が減ってきたのでパン屋さんでおやつを買います。
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ボスニア・ヘルツェゴビナやセルビアでも見たぐるぐる巻きのパンや、丸い形が連なった不思議なパンもありました。
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修道院に近づくと、イタリア軍の車をたくさん目にしました。
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そして辿り着いたペーチ総主教修道院は美しい山の麓にひっそりと佇んでいました。
中には修道女さんたちが静かに暮らしています。

ここはセルビア正教の総本山とも言えるセルビア人にとってかけがえのない場所。
だからイスラム教徒のアルバニア人と争い、この地域をどうしても自分たちのものにしたかった。

逆に、コソボに住むアルバニア人にとってはセルビアを象徴する憎らしい場所。
コソボ紛争のときは、アルバニア人によって多くのセルビア正教会の修道院が破壊されたり、修道士が暴行にあったりしたそう。今でも危機遺産に登録されていて常に守っていないといけない場所です。

入口を警備しているのはさっきも見かけたイタリア軍。
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きれいに手入れされた庭と、独特の屋根が可愛らしい。
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教会の中は撮影禁止でしたが、13世紀頃の美しい壁画も残されていました。
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そんな歴史ある可愛らしい修道院も警備していないといつ襲撃されるか分からない。
ここで暮らしている修道女さんたちはどんな気分なんだろう。

旅をしているといつも目にする、宗教間の対立。
ある所では教会が壊され、ある所ではモスクが壊されていく。

そんなやり取りを見ているといつも悲しくなります。

なんでこんなにややこしいんだろうな…。

The post 人間の手で破壊される危機にさらされている世界遺産。 first appeared on 世界ぽろり旅.

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